点数計算の初歩
ここからは点数計算について解説します。入門編では大まかな点数がわかるレベルを目標とします。
以前、麻雀のルールと基本で簡単に点数計算に少し触れましたが、一度ここで復習します。
簡単な点数計算表(30符)
子の場合 | 飜数 | 親の場合 |
---|---|---|
1,000点 | 1飜(ヒトハン) | 1,500点 |
2,000点 | 2飜(フタハン) | 2,900点 |
3,900点 | 3飜(サンハン) | 5,800点 |
8,000点 | 4,5飜 満貫(マンガン) | 12,000点 |
12,000点 | 6,7飜 跳満(ハネマン) | 18,000点 |
16,000点 | 8,9,10飜 倍満(バイマン) | 24,000点 |
24,000点 | 11,12飜 三倍満(サンバイマン) | 26,000点 |
32,000点 | 13飜以上 役満(ヤクマン) | 48,000点 |
ポイントは「親」は「子」の1.5倍の点数をもらえることです。
点数のやりとり
麻雀のアガリ方は「ツモ」と「ロン」の2種類が存在し、それぞれ支払う点数が異なります。
親がアガった場合
親のツモ
親のツモの場合はシンプルにみんなで3等分します。例えば、親が12,000点アガったら1人4,000点ずつ支払うことになります。
親のロン
親のロンの場合は振り込んだ人(当たり牌を捨てた人)が1人で全ての点数を支払ます。例えば、親が12,000点アガったら振り込んだ人は1人で12,000点支払わなければなりません。親にロンされると高い点数を1人で負担しなければならないため、なるべく親には振り込まないようにしたいところです。
子がアガった場合
子のツモ
子がツモった場合は半分を親が支払い、残りを2人の子で2等分します。例えば、8,000点アガった場合、親が4,000点支払い、2人の子がそれぞれ2,000点ずつ支払い、合計で8,000点になります。
子のロン
子のロンの場合は親のロンと同様に、振り込んだ人(当たり牌を捨てた人)が1人で全ての点数を支払います。例えば、8,000点アガったら振り込んだ人は1人で8,000点支払います。
親のメリットとデメリット
親は無条件に子の1.5倍の点数をもらうことができます。そのため、得点を稼ぐチャンスとなるので、ぜひともアガりたいものです。
しかし、親は自分がアガった時に高い点数をもらえる分、子がツモあがりした時に多く点数を払わなければなりません。
まとめ
まずは点数計算表を参考に、ざっくりと何点くらいもらえるか覚えましょう。点数計算は符計算と呼ばれる細かい計算がありますが、現段階では大体どのぐらいもらえるかが分かれば大丈夫です。初めのうちは点数計算表などを見ながらトライしてみましょう。
点数計算の基本
ここから本格的に点数計算のやり方についてを解説します。
点数計算の基本
麻雀ではアガった人が点数をもらうことができます。1局のなかで最初にアガった人が得点をもらうことができます。
麻雀では飜(ファン/ハン)と呼ばれる単位を使い点数をやり取りします。
ちなみに「飜」と「翻」の2つの漢字が用いられますがどちらも意味は同じです。当サイトでは旧字体の「飜」で解説します。
役の複合
麻雀ではあがり役を複合させることができます。
上図の例だと平和(ピンフ)とタンヤオという2つの役が複合します。この際の点数は以下のとおりです。
平和(ピンフ)1飜 + タンヤオ 1飜 = 2飜
2つの役が複合し点数は2飜となりました。ざっくり言うと、子だと2,000点、親だと3,000点もらうことができます。(ロンの場合の点数、ツモだと20符になるので点数が異なります。詳しくは符計算で解説します)
続いて別の例を見てみましょう。
役は平和(ピンフ)、タンヤオ、三色同順で具体的な点数は、
平和(ピンフ)1飜 + タンヤオ 1飜 + 三色同順 2飜 = 4飜
今回は三色同順がついて合計で4飜となりました。ざっくりした点数だと、子は8,000点、親は12,000点もらえます。
先ほどと比べても大分点数が上がったことに気付きましたか?
麻雀ではこのように役を複合させ高得点をつくることができます。
飜数を覚えよう
初心者の方はまず、どの役が何飜あるのかを覚えましょう。
これがわからないと、どの役がどのぐらいの点数になるかわからずプレーすることになります。初心者の方には1つのハードルとなりますが、すべて覚える必要はないのでまずは登場頻度が高いものを覚えましょう。
覚えておきたい頻出役と飜数
登場順位と役名、飜数、出現確率を掲載しています。出現確率は役が登場する確率なので(役が複合するため)全て足しても100%にはなりません。
3飜→2飜のように書いてあるものは食い下がりといい点数が下がる可能性がある役です。食い下がりについては事項で詳しく説明するので、参考程度にご覧ください。
第1位 立直(リーチ) 1飜 45.1%
組み合わせは自由で、門前(メンゼン)状態で上がりの1つ手前(聴牌)になったときに宣言する役。
第2位 役牌 1飜 40.0%
三元牌、場風牌、自風牌をコーツで持っている場合のみ成立する役。特急券とも呼ばれ、食い下がりもなく早くアガリたい場合に有効な役。
第3位 断ヤオ(タンヤオ) 1飜 21.4%
数牌の1・9牌(老頭牌)と字牌を使わず、2~8までの数牌(中張牌)だけで構成する役。
第4位 平和(ピンフ) 1飜 19.9%
アタマと4組のメンツでシュンツをそろえる役で、待ち方が必ず両面待ちでなければならない。また、チーをすることなく門前でテンパイすることが条件。
第5位 門前自摸(メンゼンツモ) 1飜 17.6%
門前状態で当たり牌をツモればつく役。アガリになる条件は門前であることのみなので、他に役がなくても門前であればツモればアガることができる。
第6位 一発(イッパツ) 1飜 10.2%
自分がリーチした後、1巡以内に誰かの捨てた牌でロンするか、リーチ直後の自分のツモ(一周した後)にツモあがりすれば1飜をもらうことができる。ただし、その1巡以内にポン、チー、カンがあると無効になる。
第7位 混一色(ホンイーソー/ホンイツ) 3飜→2飜 6.31%
1種類の数牌と字牌のみで成立する役。食っても(メンゼンでなくても)役は成立するが食い下がりするため2飜になる。
第8位 一盃口(イーペーコー) 1飜 4.75%
同じ種類の数牌で、同じシュンツを2組メンゼンでつくる役
第9位 対々和(トイトイホー) 2飜 3.92%
すべてコーツのみで構成される役で、食い下がりがない。
第10位 三色同順(サンショクドウジュン) 2飜→1飜 3.46%
萬子、筒子、索子の3種類の数牌で、同じ数字の組み合わせのシュンツを3組そろえる役。
第11位 七対子(チートイツ) 2飜 2.52%
対子(同一の2枚の牌)を7組そろえる役。
第12位 一気通貫(イッキツウカン/イッツー) 2飜→1飜 1.75%
萬子、筒子、索子のいずれか1種類だけを使って、1~9までの連続した数字を揃える役。「イッツー」と略されて呼ばれるのが一般的。
一気に12個も載せてしまったので覚えるのが大変かと思いますが、上記12個で実戦で見かける麻雀役の9割以上を占めます。逆に言うとこれだけ覚えればほぼ実戦で見かける役は9割マスターしたことになります。
他の役ももちろん覚えるに越したことはないのですが、その前に食い下がりや大まかな点数計算の概念を覚えて欲しいです。
食い下がり
麻雀役の中には食い下がりといい、ポンやチーをすると飜数が下がる役があります。
「食う」というのはポン、チー、ミンカンをすることを指します。「食う」と「鳴く」は同じ意味です。門前ではない状態を「鳴く」や「喰う」「晒す」と言います。
食い下がりする役
前項で解説した三色同順が食い下がりする役の1つです。
第10位 三色同順(サンショク) 2飜→1飜
萬子、筒子、索子の3種類の数牌で、同じ数字の組み合わせのシュンツを3組そろえる役。
鳴いた例
門前状態(鳴いていない状態)では2飜ですが、チーをしているので1飜下がり1飜の役になります。
第7位 混一色(ホンイーソー/ホンイツ) 3飜→2飜
1種類の数牌と字牌のみで成立する役。食っても役は成立するが食い下がりするため2飜になる。
鳴いた例
門前では3飜ですが鳴くと食い下がりして2飜になります。
食い下がりしない役
すべての役が食い下がりするわけではなく、鳴いても飜数が変わらない役もあります。代表例がタンヤオや役牌です。
第3位 断ヤオ(タンヤオ) 1飜
数牌の1・9牌(老頭牌)と字牌を使わず、2~8までの数牌(中張牌)だけで構成する役。
タンヤオは門前でも鳴いても飜数は変わらず1飜固定です。
門前限定の役
麻雀役の中には、鳴くとそもそも役として成立しないものもあります。代表例がリーチ、平和(ピンフ)や一盃口(イーペーコー)などです。
第4位 平和(ピンフ) 1飜 19.9%
アタマと4組のメンツでシュンツをそろえる役で、待ち方が必ず両面待ちでなければならない。また、チーをすることなく門前でテンパイすることが条件。
平和はすべて門前でテンパイすることが条件となる役です。その為、鳴いてシュンツを揃えても役として成立しません。
まとめ
麻雀役には食い下がりする役、食い下がりしない役、門前限定の役と3種類あります。それぞれどの役がどれに該当するのかを覚えてアガリを目指しましょう。前項で紹介した12の役を分類しましたので、参考程度にご覧ください。
食い下がりする役 | 混一色 三色同順 一気通貫 |
---|---|
食い下がりしない役 | 役牌 タンヤオ 対々和 |
門前限定の役 | リーチ 平和 門前自摸 一発 一盃口 七対子 |
点数計算の方法と覚え方
これまでは「役」と割り当てられた「飜」について説明をしましたが、ここからは1飜が何点で、2飜になると何点なのかという部分を具体的に見ていきましょう。
簡単な点数計算表2(30符)
子の場合 | 飜数 | 親の場合 |
---|---|---|
1,000点 | 1飜 | 1,500点 |
2,000点 | 2飜 | 2,900点 |
3,900点 | 3飜 | 5,800点 |
7,700点 | 4飜 | 11,600点 |
8,000点 | 5飜 満貫(マンガン) | 12,000点 |
12,000点 | 6,7飜 跳満(ハネマン) | 18,000点 |
16,000点 | 8,9,10飜 倍満(バイマン) | 24,000点 |
24,000点 | 11,12飜 三倍満(サンバイマン) | 26,000点 |
32,000点 | 13飜以上 役満(ヤクマン) | 48,000点 |
何回かお見せした簡単な点数計算表をちょっと改良したものです。飜数が1つあがるごとに点数が、倍々になっています。
役を重ねて1飜あがるごとに点数が倍になっていく。これが大原則です。
3飜が3,900点で4飜が7,700点と中途半端ですが、説明すると長くなるので、こういうものなんだと覚えてください。はじめのうちはざっくり、4,000点、8,000点と覚えてしまっても問題ないです。
切り上げ満貫
4飜の点数は子7,700点、親11,600点と満貫の8,000点/12,000点とほぼ変わりません。
だったら切り上げて満貫でいいんじゃない?
というのが切り上げ満貫で採用しているかどうかはルールによります。切り上げ満貫で4飜=8,000点としているケースもあれば、厳密に7,700点で計算している場合もあります。
フリー雀荘などでは点棒の受け渡しがあるので、点数の支払いを簡略化しスムーズに行うため切り上げ満貫を採用している場合がほとんどで、約9割以上は切り上げ満貫を採用しています。
一方、点数が自動で計算されるネット麻雀では厳密に計算しているケースが多くなっています。
覚え方
子の場合は、
セン(1000)ニセン(2000)ザンク(3900)チッチー/ナナナナ(7700)
親の場合は、
イチゴ(1500)ニック(2900)ゴッパ(5800)ピンピンロク(11600)
とリズミカルに覚えましょう。
ツモとロンの点数差
ツモとロンでは点数のやり取りが違う、というのをルールと基本/簡単な点数計算で解説しましたが、大事な部分なので一度復習してみましょう。
点数のやりとり
麻雀のアガリ方は「ツモ」と「ロン」の2種類が存在し、それぞれ支払う点数が異なります。
親がアガった場合
親のツモ
親のツモの場合はシンプルにみんなで3等分します。例えば、親が12,000点アガったら1人4,000点ずつ支払うことになります。
親のロン
親のロンの場合は振り込んだ人(当たり牌を捨てた人)が1人で全ての点数を支払ます。例えば、親が12,000点アガったら振り込んだ人は1人で12,000点支払わなければなりません。親にロンされると高い点数を1人で負担しなければならないため、なるべく親には振り込まないようにしたいところです。
子がアガった場合
子のツモ
子がツモった場合は半分を親が支払い、残りを2人の子で2等分します。例えば、8,000点アガった場合、親が4,000点支払い、2人の子がそれぞれ2,000点ずつ支払い、合計で8,000点になります。
子のロン
子のロンの場合は親のロンと同様に、振り込んだ人(当たり牌を捨てた人)が1人で全ての点数を支払います。例えば、8,000点アガったら振り込んだ人は1人で8,000点支払います。
端数が出る場合
子が満貫の8,000点ツモアガりした場合は子2,000点/親4,000点ときれいに割り切れます。
もし子が3飜の3,900点アガった場合はどうなるでしょうか。ルールに当てはめると、子975点/親1,950点と中途半端になってしまいます。しかし、麻雀には10点単位はありません。そこで、切り上げていいというルールになっています。
子の3,900点ツモの場合、子1,000点/親2,000点の支払いになります。
そうなると実際にもらえる点数は1,000×2+2,000=4,000点になり、実際には4,000点もらえる計算になります。
ロンの場合はもちろん3,900点の支払いですが、ツモの場合は「端数切り上げ」の関係で100点多くもらうことができます。
同様に、子の7,700点、親の2,900点、5,800点、11,600点も端数切り上げの対象になり、ロンよりもツモのほうが数百点単位で点数を多くもらうことができます。
連荘と積み棒
連荘(レンチャン)とは
親がアガった場合にもう1回親が続くことを連荘(レンチャン)と言うのは覚えているでしょうか。一般用語としても浸透していて、何かが続くことを「連チャン」と言うのを聞いたことがあるかたも多いと思います。
「バイトが5連チャンで辛いわー」のように使われますね。
さて本題に戻って、親が続く条件にはルールによって差があります。それぞれ見ていきましょう。
アガリ連荘
親がアガった場合のみもう1回親が継続するというルール。
テンパイ連荘
誰もアガらなくても、親がテンパイしていれば親が継続するルール。
連荘の目印
東一局で親が連荘した場合は東一局1本場となり、更にもう一回親が連荘した場合は東一局2本場となります。
親が連荘した場合には、卓上に100点棒を出して「何回目の親ですよ」という目印にします。1本場なら1本、もう1回親が続いた場合は2本出して「2本場」を表す。邪魔にならないように、卓の上の端っこに置いてみんなに見えるようにします。
これを「積み棒(つみぼう)」や「芝棒(しばぼう)」と呼びます。
ネット麻雀の場合は実際に点棒を使わないので、積み棒はありませんが、必ずどこかに何本場なのかは表示されています。
積み棒と点数
ただ目印として積み棒を置いているわけではなく、ちゃんと目的があります。
積み棒がある状態になるとアガったときに自動的に1本あたり300点のボーナスがつきます。
2本場になったら、2本積んでいるので、600点のプラスとなります。
8,000点の満貫をアガった場合は、1本場なら300点プラスされ8,300点に、2本場なら600点プラスされ8,600点となります。
そんなに大きな点数ではありませんが、5本場とかになると1,500点になりちょっと無視できない点数になってきます。
積み棒は大きな点数ではありませんが、点数変動の要素として存在するので、ぜひ覚えておいてください。
リーチ棒の供託
点数にまつわることはだいたい解説してきましたが、今回はリーチ棒の供託について解説します。
供託とその扱い
リーチをするのには1,000点必要ですが、これは支払っているわけではなく「供託」といって一時的に場に預けているだけです。
その為、リーチが成功してアガることができれば、供託した1,000点は返ってきます。
しかし、リーチをかけたものの、ツモもロンもできず流局になってしまった場合はどうなるでしょうか。
この場合は次局に持ち越しとなり、次にアガった人がもらうことができます。
1,000点ぐらいだと大した点数ではないですが、まれにリーチをかけても誰もアガれず4本、5本ぐらい積み上がっているケースもあります。
4本だと4×1,000点で、アガったときに4,000点がついてきます。こうなると、さすがに無視できない点数となり順位にも影響してきます。
リアル麻雀ではじゃまにならないところに供託のリーチ棒を置いておき、ネット麻雀では積み棒と同じくどこかにリーチ棒が何本積まれているかが表示されています。
これで点数計算・入門編は終わりです。長文に付き合っていただきありがとうございました。続いて符計算です。初心者の方には難しいかと思いますが、ぜひ読んで覚えていただきたい項目です。